オーストラリアンプルアップと通常のプルアップは、どちらも背中の筋肉を鍛える効果的な運動ですが、それぞれに特徴があり、刺激される筋肉や運動の効果に違いがあります。
簡単にまとめてみると
特徴 | オーストラリアンプルアップ | 通常のプルアップ(懸垂) |
---|---|---|
主な刺激筋肉 | 広背筋、僧帽筋中部、上腕二頭筋、前腕 | 広背筋、上腕二頭筋、前腕 |
難易度 | 初心者向け、 | 中級〜上級者向け |
肩への負担 | 比較的小さい | 大きい |
安全性 | 高い(肩甲骨下制が困難な人にも適する) | 正しいフォームをキープする筋力が重要 |
可動域 | 肩屈曲可動域が小さい | 肩挙上範囲が大きい |
バランス感覚 | やや少ない(足を地面につけた姿勢) | 高い(ぶら下がり姿勢) |
体幹トレーニング | 下半身の連動、フロントレバーの基礎として有効 | 全身の姿勢制御にも効果的 |
マッスルアップへの応用 | 引ききった姿勢の練習に適する | 懸垂力の向上に直結 |
バリエーション | 角度調整、握り方、下半身の力の強弱 | グリップ幅、手の向きなど |
機能的トレーニング | 日常動作に近い | より競技的なパフォーマンス向上に適する |
オーストラリアンプルアップの特徴
肩挙上時に痛みがある人でも比較的安全
肩甲骨下制が維持できない人でも安全に懸垂の練習を進められる
マッスルアップに向けた肩の可動範囲(特に引ききったとき)の拡大に有効
フロントレバーの基礎トレーニングとして、力の入れ方の確認、体幹への意識を高めるのに有効
体を水平に近づける、足を上げる、膝を曲げて足で地面を押す力を加えるなどで負荷が調整できる
脊柱起立筋ー臀筋ーハムストリングスの連動性にも刺激が入る。姿勢維持に必要な筋力を鍛えられる
通常のプルアップの特徴
負荷が強く、より高い筋力と技術が必要
筋力向上、活性化に有効。
ぶら下がって行うことでバランス・空中感覚の両方の刺激をいれることができる
バリエーションの例
・グリップ幅を狭く、アンダーハンドグリップにすると主に腕に、広く、オーバーハンドグリップにすると背筋群に効かせやすい
・体操選手のように体幹から足を真っ直ぐにして軽く腹筋を効かせ、空中で姿勢をキープする
・膝を軽く曲げて背中へ意識を集中、マッスルマインドコネクションを利用して筋力・筋肥大を重視するなど
まとめ
両方の運動を組み合わせることで、より総合的な背中のトレーニングが可能になります。上記以外にも意識や細かいフォームの調整、器具の仕様で色々なバリエーションがあります。一般的にオーストラリアンプルアップは初級と言われていますが、懸垂と異なる運動学習ができるので、上級者でも取り入れるメリットは高いと思います。色々なトレーニングを取り入れてフィットネスレベルを向上させましょう。