私はコーヒーが好きでよく飲んでいます。一番はコーヒーの味や香りに幸福感を感じること、適量摂取で仕事のパフォーマンスが上がる実感があります。
コーヒーにも含まれるカフェインについては健康に良い面と悪い面があり、適性摂取を守ること、付き合い方を意識することが重要です。身近の人にも知らず知らずにカフェイン過剰摂取で体調を崩す例があります。患者さんの間食としてコーヒーを希望する方はいます。カフェインは血圧や血糖値に影響を与えるため、高血圧や糖尿病、心臓病、他の血管の病気、胃腸疾患等病気を持っている人は注意が必要です。そういった管理が必要と思われる方はできるだけデカフェを飲むようにアドバイスしています。
今回は改めてカフェインについて勉強し直してみました。
一般的なガイドラインにおけるカフェイン適性摂取量
- 成人: 一般的に、成人のカフェインの適性摂取量は1日あたり400ミリグラムまでとされています。これはコーヒー約4杯分に相当します。
- 妊婦: 妊娠中の女性は、カフェインの摂取を1日あたり200ミリグラム以下に抑えることが推奨されています。これはコーヒー約1〜2杯分に相当します。
- 子供と青少年: カフェインの摂取量は体重によって異なりますが、一般的には体重1キログラムあたり2.5ミリグラム以下が推奨されています。
カフェインのメリット
- 覚醒作用
- 集中力と運動能力の向上
- 疲労感の軽減
- 脂肪燃焼と体重コントロール
- 鎮痛効果
- 抗酸化作用
- 病気の予防
血圧と血糖値への影響
血圧への影響
- 短期的な影響: カフェインの摂取は一時的に血圧を上昇させる効果があります。これは主に、カフェインが血管を収縮させ、心拍数を上げる作用があるためです。
- 長期的な影響: 日常的なカフェイン摂取が長期的な血圧上昇につながるかどうかについては、研究結果が一致していません。一部の研究では、習慣的なコーヒー摂取が血圧に大きな影響を与えないという結果も報告されています。
血糖値への影響
- 短期的な影響: カフェインは一時的に血糖値を上昇させる可能性があります。これは、カフェインがインスリン感受性を低下させ、血糖の取り込みを阻害する可能性があるためです。
- 長期的な影響: 長期的なカフェイン摂取と血糖コントロールの関係については、研究結果が一致していません。一部の研究では、習慣的なコーヒー摂取が2型糖尿病のリスクを低下させる可能性があると報告されています。
注意点
- カフェインの影響には個人差があり、特に高血圧や糖尿病の既往がある人は、カフェイン摂取に注意が必要です。
- カフェインの過剰摂取は、血圧上昇や血糖コントロールの悪化につながる可能性があるため、適切な摂取量を守ることが重要です。
カフェインのアスリートへの影響
カフェインのドーピングとしての利用
- 競技力向上: カフェインはアスリートにとって競技力を1〜2%向上させる効果があるとされており、エルゴジェニックエイド(運動能力向上補助剤)として広く利用されています。
- 過去の規制: カフェインはかつて国際的なスポーツ競技会において禁止物質とされていましたが、2004年以降は世界アンチ・ドーピング機構(WADA)の禁止リストから除外され、現在は監視プログラムの対象となっています。
現在の規制状況
- 監視プログラム: カフェインは現在、禁止物質ではないものの、乱用の危険性があるため監視プログラムに含まれています。これにより、カフェインの大量摂取が認められた場合には、将来的に再び禁止物質に指定される可能性があります。
カフェイン摂取の注意点
- 副作用: カフェインの過剰摂取は嘔気、不眠、不安、手指の震え、動悸、不整脈などの副作用を引き起こす可能性があります。特に体重1kgあたり9mgを超える摂取は危険とされています。
- 摂取量の管理: カフェインを含む飲料やサプリメントの摂取には注意が必要であり、過剰摂取を避けるために適量を守ることが重要です。
運動パフォーマンスへの影響
カフェインは現在、ドーピングとして禁止されてはいませんが、適切な摂取量を守り、副作用に注意することが重要です。
カフェインの危険性
日本中毒学会の調査によると、2011年から2015年の5年間で、カフェイン中毒により101人が救急搬送され、そのうち3人が亡くなっています。この調査以降の最新データは提供されていませんが、カフェイン中毒のリスクは依然として存在し、特に受験シーズンなどに注意が必要とされています。最近の傾向としては、以下の点が指摘されています
- エナジードリンクの普及により、若者や受験生の間でカフェイン過剰摂取のリスクが高まっています。
- カフェイン含有飲料の手軽な入手が可能になり、過剰摂取のリスクが増加しています。
- 深夜勤務者や学生など、眠気覚ましのためにカフェインを多用する傾向があります。
カフェイン中毒を防ぐためには、適切な摂取量(健康な成人で1日400mg以下、10〜12歳の子どもで85mg以下)を守ることが重要です。
まとめ
カフェインは適正量を守って賢くとれば日常のパフォーマンス向上や幸福感UPなどメリットが享受できますが、取りすぎは逆効果になります。ご自身の体調に合わせて摂取量を考えることをおすすめします。