今回は、スロートレーニングのメリットと実践的なポイントについてまとめてみました。
スロートレーニングのメリット
- 安全な可動域でのトレーニング 痛みが出ない範囲への可動域の調整がしやすい
- 1b抑制を活用した柔軟性向上(1b抑制について詳しくは下記補足参照)
- 代謝ストレスとホルモン分泌の促進 筋肉内の低酸素状態を引き起こし、乳酸や成長ホルモンの分泌を促進、筋肥大と組織修復を加速、骨や筋肉の成長を刺激する。
- リハビリや中高年層への適応性 最大筋力の30%程度の軽負荷でも効果的で、高齢者やリハビリ中の関節保護に最適。例えばスロースクワットは下半身の筋力維持と転倒予防に有効とする報告あり
正しいフォームを維持できるメリット
- ターゲット筋への負荷集中 フォームの崩れは「他の筋肉の代償動作」により効果半減
- 関節保護とケガ予防 誤ったフォームは関節や腱に過剰なストレスがかかり、怪我の原因に
- 長期的な筋肥大効果 可動域を最大化し、筋肉の緊張を持続させることで代謝ストレスが向上
実践的アドバイス
・鏡や動画でのセルフチェック
・トレーナーの活用 自分では気付けないフォームの乱れをリアルタイムで修正し効率アップ
・軽量からの再学習 軽い負荷でも効果が得られやすいことを利用
注意点
- 過度な可動域拡大のリスク:関節がもともとゆるい場合、可動域拡大は慎重に。
- 血圧上昇:呼吸を止めないことを意識する。
まとめ
正しいフォームは筋トレ効果を最大化し、スロートレーニングは「安全性」「柔軟性向上」「回復促進」の3軸で優れた代替手法です。特に1b抑制と成長ホルモン分泌の相乗効果は、怪我からの回復期や持続的な筋力向上に有効です。実践時は自身の体力や関節状態に応じた負荷調整が重要です。
※ 補足 1b抑制とは
1b抑制は、私たちの体が持つ自然な防御機能の一つで、筋肉が過度に伸びたり、強く収縮したりするのを防ぐ仕組み。
筋肉と腱の接合部にある「ゴルジ腱器官」というセンサーが、筋肉の張力を感知、ゴルジ腱器官が危険を感知すると、脊髄に信号を送る。この信号は「1b線維」という特殊な神経を通って伝わる。脊髄は、この信号を受け取ると、即座に筋肉に「リラックスせよ」という命令を出し、筋肉の緊張が和らぎ、より柔軟になる。
日常生活での例:ストレッチで徐々に筋肉が柔らかくなり、よく伸びるようになる。突然重いものを持ち上げようとすると反射的に筋肉が緩み、怪我を防ぐ。
スロートレーニングでゆっくりとした動作で筋肉を伸ばすと、1b抑制が効果的に働き、柔軟性が向上する。