適度な炎症は筋肥大を促進する可能性あり
筋トレによって筋肉が微小なダメージを受けると、体はその修復を試み、より強力な筋肉を作ろうとします。この修復過程で炎症反応が起こり、血液中から栄養や修復に必要な物質が供給されます。
その結果、新しい筋繊維が生成され、筋肉の断面積が増加し、筋肉がより大きく、強くなります。
筋肉痛に炎症を抑える飲み薬、湿布、塗り薬などを多用すると筋肥大を妨げる?
例えば、抗炎症薬の過剰使用が筋肉の成長を阻害することが報告されています。炎症を完全に抑えてしまうと、筋肉の修復と成長に必要なプロセスが十分に行われなくなるため、筋肥大が遅れる可能性があります。筋肉痛があるときは痛み止めを飲んで無理に運動するのではなく、食事や休養を見直すことも大切です。
一方で過剰な炎症は筋肥大の阻害要因
メカニズム
- タンパク質合成の阻害: 炎症反応によって生じるサイトカインは、タンパク質合成に必要なmTORシグナルを阻害し、筋タンパク質の合成を抑制します。
- 筋損傷の悪化: 炎症反応は、すでに損傷を受けた筋肉の修復を遅らせ、さらなる損傷を引き起こす可能性があります。
- 衛星細胞の機能不全: 筋肉の再生に関わる衛星細胞の活性化を阻害し、筋肉の再生能力を低下させる可能性があります。
- 痛みによる悪影響:痛みがあると効率のいい動き方、トレーニングができず、体づくりの効率が低下します。
CK(クレアチンキナーゼ)との関連性
CKは、筋肉の損傷の程度を示す指標の一つとして用いられます。
- 高CK値: 激しい運動や筋肉の損傷後には、CK値が上昇します。これは、筋肉細胞膜が損傷し、CKが血液中に漏れ出したことを意味します。
- 過剰な炎症とCK: 過剰な炎症は、筋肉の損傷を悪化させ、CK値を上昇させる可能性があります。つまり、CK値が高い状態は、炎症が強く、筋肥大が阻害されている可能性を示唆する一つの指標となることがあります。
適度な炎症は筋肥大のプロセスに必要ですが、過剰な炎症は逆効果となります。