クロスフィットなど、高強度の運動やスポーツでの競技において、「脱力」は使い方次第でスコアやパフォーマンスの向上に役立ちます。
今回、私が普段意識している「脱力」を、言語化してみました。
クロスフィットでの脱力の意識
- バーピーでたった姿勢からうつ伏せに戻るときはできる限り力を抜き、重力に任せる。起き上がるときのみ力を使う。足首のバネ、地面の反発(身体をバウンドさせるイメージ)をうまく利用する。
- 腹筋収縮時に息を吐き、腹筋が自然と先行して収縮するように意識、そうすることで体幹が安定して効率的に力の伝達ができる。
- 鉄棒にぶら下がる種目(キッピング懸垂・T2B・バーマッスルアップなど)は、遠心力に対抗せず、うまく利用する。伸張反射(筋肉が急に伸ばされたときに反射的に縮もうとする力)を利用する。体勢・力の向きを変えるために適切なタイミングで適切な筋に力をいれる。
- 主働筋に力が入るように拮抗筋は脱力する。
- ネガティブ(遠心性収縮、伸びながら縮もうとする力)は使わない。伸ばすときは脱力して伸ばす、縮むときは瞬間的に力を入れる。
- 種目によって力の入れ方を変える。例えばディップス・腕立て伏せ・バーピーを組み合わせたWODの場合、どちらも押す動作、胸筋・三頭筋に負荷がかかる。ディップスや腕立て伏せは遠心力や床からのバウンドを利用して押す動作をアシストする。バーピーは下半身と体幹の力をメインに使い、胸筋・三頭筋の力を抑える等。
脱力のメリット
- 時間あたりの仕事量(スコア)の増加
- 効率的な身体の使い方を学べる
- 状況変化に応じてとっさの動きが可能
- 肉離れ等怪我のリスク減少
- 日常生活での動作効率向上による疲労感の軽減
- コリの緩和
- 必要なところに必要な筋肉をつけることができる
脱力のデメリット
- 不適切な脱力は怪我につながる
- 仕事量以上の力を入れたりネガティブ動作を意識したほうが筋肥大や単位時間あたりのカロリー消費は大きくなる
デメリットに関しまして、例えば適切なタイミングで力を入れられないと受け身に失敗したり、関節を保護できない等で怪我に繋がります。筋肥大のためのトレーニングであれば、あえて動作効率を悪くするほうが効果的なこともあります。しかし、脱力をうまく利用して仕事量を多くこなせればその分筋力の工場は見込むことができます。その過程ではその動作にとって効率の良い筋力をつけることができます。
まとめ
このように脱力は効果的に実施することで多くのメリットがあります。脱力はパフォーマンスアップに必要な技術とも言われ、そのノウハウを提供する書籍やYouTubeもあります。この機会に脱力の技術を磨いてみましょう。
おまけ
クライアントに脱力を意識させたい場合、外的意識・キューイングも有効です。よければ関連記事も参考にしてください