スポーツをする中で膝の痛みを感じる方は多いです。一口に膝痛といっても原因は様々です。
↓膝スポーツ障害の疼痛と圧痛(押すと痛い)部位
引用:健康スポーツ医学実践ガイド 日本医師会編集 2022年6月11日発行
アスリートにとって、膝の痛みはパフォーマンス低下の大きな原因となります。しかし、ついつい我慢してしまい、病院に行くのを先延ばしにしてしまう、または行かない方も多いです。
しかし、一度行ってみることでのメリットも多く、今回はそのことについて紹介します。
検査・診断を受けるべき理由
- 原因の特定と適切な治療: 膝の痛みには様々な原因が考えられます。スポーツ外傷、変形性膝関節症、関節炎など、原因によって適切な治療法は異なります。場合によっては手術が必要なケースもあります。検査・診断を受けることで、痛みの原因を特定することが大切です。
- 早期治療による早期復帰: 痛みの原因を特定し、適切な治療を受けることで、早期に症状を改善し、競技に復帰することができます。
- 重篤な後遺症の予防: 膝の痛みの原因によっては、放置することで軟骨のすり減りや関節の変形など、重篤な後遺症を引き起こす可能性があります。検査・診断を受けることで、このような後遺症を予防することができます。
- パフォーマンス向上: 膝の痛みがなく、健康な膝を維持することで、競技力向上にも繋がります。
検査・診断の内容
膝の検査・診断には、以下のようなものがあります。
- 問診: 年齢・性別、生活背景、痛みの原因となった動作、痛みの場所、症状、持続時間、悪化させるものや改善させるものなどを詳しく問診します。
- 視診: 膝の腫れや変形などを観察します。
- 触診: 膝の動きや圧痛などを確認します。
- レントゲン検査: 骨の状態を画像で確認します。
- MRI検査: 膝の軟骨や靭帯などの軟部組織の状態を画像で確認します。
- CT検査: 骨や軟部組織の状態を立体的に画像で確認します。
手術や処置が必要ないケースは痛み止めだけ処方、スポーツの中止・休養のみを指示されることもあります。しかし、原因がはっきりするとそこからの方向性を定められるため大きなメリットがあります。
膝の痛みの根本的な原因を解決し、再発を防ぐためには、セルフケアも重要です。
セルフケアの必要性
- 痛みの再発防止: 痛み止めはあくまでも対症療法であり、根本的な原因を解決するものではありません。セルフケアを行うことで、痛みの原因となる筋力低下や柔軟性の低下を改善し、痛みの再発を防ぐことができます。
- 早期回復: セルフケアを行うことで、血行を促進し、炎症を抑えることができます。これにより、自然治癒力を高め、早期回復を促すことができます。
- 根本原因の改善: セルフケアには、筋力トレーニングやストレッチなど、膝周りの筋肉や靭帯を強化するものがあります。これらのセルフケアを行うことで、膝周りの筋力バランスを整え、根本的な原因を改善することができます。
おすすめのセルフケア方法
- RICE: 炎症が起こっている時、痛みが強い場合は、安静(Rest)、冷却(Ice)、圧迫(Compression)、拳上(Elevation)。
- ストレッチ: 膝周りの筋肉や靭帯をほぐす。
- 筋力トレーニング: 膝周りの筋肉を鍛える。
- サポーター、テーピング: 膝をサポート。
- 生活習慣の改善: 肥満解消、バランスの良い食事、十分な睡眠など、生活習慣を見直しましょう。
膝痛のセルフケアを成功させるには、専門家のサポートを受けることもおすすめします。信頼できる治療家(整体・整骨院・リハビリ専門職)・トレーナー等に相談することで、以下のようなメリットがあります。
効果的なセルフケア方法を指導
- 単にストレッチや筋トレを教えるだけでなく、あなたの体の状態に合わせて、適切な方法と強度を指導してくれます。
- 間違った方法でセルフケアを行ってしまうと、症状が悪化してしまう可能性もあるため、専門家の指導を受けることが重要です。
- セルフケアの継続方法についてもアドバイスしてくれるので、モチベーション維持にも役立ちます。
体の歪みや筋力バランスを整える
- 膝痛は、体の歪みや筋力バランスの崩れが原因で起こる場合もあります。
- 専門家は、整体やマッサージなどの施術によって、体の歪みや筋力バランスを整え、痛みの根本的な原因を取り除きます。
- セルフケアだけでは難しい体の歪みや筋力バランスの改善も、専門家に任せることで効果的に行うことができます。
再発防止策をアドバイス
- 痛みの原因を解決しただけでなく、再発を防ぐための生活習慣や運動習慣の改善アドバイスもしてくれます。
- 日常生活の中で意識すべきポイントや、効果的な運動メニューなどを教えてくれるので、痛みのない生活を長く続けることができます。
モチベーションをサポート
- セルフケアは継続することが重要ですが、なかなかモチベーションを維持するのは難しいものです。
- 専門家は、定期的な経過観察を行い、あなたの進捗状況に合わせてアドバイスや励ましを与えてくれます。
- 挫折せずにセルフケアを続けられるよう、心強いサポートをしてくれます。