食事炎症指数(Dietary Inflammatory Index, DII)とは
米国サウスカロライナ大学の研究チームによって開発された特定の食品や栄養素が炎症を促進するか抑制するかの指標です。
45種類の栄養素や食品が6種類の炎症性マーカー(IL-1β、IL-4、IL-6、IL-10、TNF-α、CRP)に与える影響を基にスコア化されています。
・炎症を引き起こす食品にはプラス
・炎症を抑制する食品にはマイナス
DIIが低い食品(炎症抑制)
- 野菜:ブロッコリー、ほうれん草、にんにく、生姜、玉ねぎなど
- 果物:ベリー類、リンゴ、柑橘類など
- 全粒穀物:玄米、全粒パン、オートミールなど
- 魚:サーモン、サバ、イワシなどの脂肪の多い魚
- ナッツ類:アーモンド、クルミなど
- オリーブオイル
- ハーブ・スパイス:サフラン、ターメリック、コショウ、タイム、オレガノ、ローズマリーなど
- 飲料:緑茶、紅茶、コーヒー(適量のアルコールも含む)
DIIが高い食品(炎症促進)
- 精製穀物:白パン、白米など
- 揚げ物
- 赤身肉:牛肉、羊肉など
- 加工肉:ベーコン、ソーセージ、ハムなど
- 高脂肪食品:バター、クリーム、ラードなど
- 高糖質食品:砂糖を多く含む菓子類や甘い飲料
- 飲料:過剰なアルコール
DIIが低い成分(炎症抑制)
- ビタミン類(B6、βカロテン、葉酸、ナイアシン、リボフラビン、チアミン、A、C、D、E)
- ミネラル類(マグネシウム、セレン、亜鉛)
- n-3系脂肪酸(オメガ3)、n-6系脂肪酸(オメガ6)
- 一価不飽和脂肪酸(MUFA)、多価不飽和脂肪酸(PUFA)
- 食物繊維
- フィトケミカル(カフェイン、フラボノイド類、アントシアニジン、イソフラボンなど)
DIIが高い成分(炎症促進)
- コレステロール
- たんぱく質(過剰)
- 炭水化物(精製された)
- 飽和脂肪酸
- 人工甘味料:アスパルテーム、サッカリンなど
- 保存料:ソルビン酸、ベンゾ酸ナトリウムなど
- 着色料:タートラジン(黄色5号)、アマランス(赤色2号)など
- 香料:合成香料。
普段の生活で取り入れていること
これらの食品を摂るために私が実践している事:野菜・果物は冷凍食品や乾燥野菜としてストックしておくと便利です。飲料も常備品で置いておけるものが多いです。スパイスを常備して調味料として使用しています。インスタントオーツはお湯をかけるだけで食べられます。サバ水煮缶も良質な脂質源として常備しています。ほとんど業務スーパーやAmazonで安く仕入れることができます。
DIIとスポーツパフォーマンスの関係についての考察
- 炎症とパフォーマンス:
慢性炎症は様々な健康問題の原因となり、スポーツパフォーマンスにも悪影響を及ぼす可能性があります。DIIの低い食事(抗炎症性の食事)は、炎症を抑制することでパフォーマンスの維持・向上に寄与する可能性があります。 - 栄養素の重要性:
DIIで評価される栄養素の多くは、スポーツパフォーマンスにとっても重要です。例えば、ビタミン類やミネラル類は、エネルギー代謝や筋肉機能に不可欠です。DIIが低い食事は、これらの栄養素を豊富に含む傾向があります。 - 回復と修復:
抗炎症性の食事は、トレーニング後の回復や筋肉の修復を促進する可能性があります。これは、長期的なパフォーマンスの向上につながる可能性があります。 - エネルギー供給:
DIIが高い食品(精製炭水化物や加工食品など)は、短期的なエネルギー供給には有効かもしれませんが、長期的には炎症を引き起こし、パフォーマンスに悪影響を与える可能性があります。 - 個別化の必要性:
スポーツ選手の栄養ニーズは競技や個人によって異なるため、DIIだけでなく、個々の要求に応じた栄養戦略が必要です。
炎症と慢性疾患
慢性炎症は、がんや循環器疾患などの生活習慣病に関連しています。食事が炎症反応に及ぼす影響を評価するためにDIIが利用されており、特に欧米諸国ではその妥当性が検証されています。
DIIと睡眠
研究によれば、炎症を引き起こす食事(DIIが高い食事)は、睡眠の質を低下させる可能性があります。具体的には、睡眠中に目覚めやすく、再入眠に時間がかかることが報告されています