🔸 はじめに
「もう少し絞ったほうが速くなれる」「見た目もシャープな方が強そうに見える」
――そんな思いから、体脂肪を極限まで落とそうとしていませんか?
クロスフィット、ハイロックス、スパルタンレースといった競技では、ただ細ければいいわけではありません。むしろ、体脂肪が低すぎることでパフォーマンスが落ちるケースが多く見られます。
今回は、体脂肪を絞りすぎることのリスクと、それを避けて最大限に力を発揮するためのコンディショニング戦略をまとめました。
🔸 なぜ極端な減量が逆効果になるのか?
❌ ① グリコーゲンの枯渇 → 筋持久力が落ちる
筋トレ・高強度インターバル・長距離ランのすべてで、筋肉中のグリコーゲンが重要。
糖質をカットしすぎると「頑張れない体」になってしまいます。
❌ ② ホルモンバランスの崩れ → 回復力・集中力の低下
体脂肪はテストステロン、レプチン、エストロゲンなどの合成材料でもあります。
これらが減少すると、睡眠の質低下、筋分解の亢進、月経不順などの問題が起こります。
❌ ③ 神経系の疲弊 → 動作のキレが失われる
コーディネーションやパワー系動作の要は神経系。栄養が足りなければ「動きのキレ」や「リズム感」も失われます。
❌ ④ 冷えや衝撃耐性の低下
体脂肪は断熱材でもあり、スパルタンのような寒冷地での競技や着地の衝撃吸収にも影響します。
❌ ⑤ 自律神経の乱れ
慢性的なエネルギー不足は交感神経の過剰亢進を招き、心拍数の上昇や不整脈、集中力のブレにもつながります。
🔸 じゃあ、どうすればいいの?
✅ パフォーマンスを最大化するためのコンディショニング戦略
🥗 栄養管理:エネルギーを削りすぎない
- 脂質を完全に抜かない(目安:体脂肪率 男性10–13%、女性16–20%)
- レース前1週間は軽めのカーボアップを行う
- トレ後30分以内の糖+たんぱく質補給は鉄則
🧠 神経・ホルモンコンディションを整える
- 夜はマグネシウム・トリプトファン(ナッツ、バナナ、卵など)で睡眠ホルモンをサポート
- 極端な低脂肪は避け、性ホルモンの安定を保つ
🏃♀️ トレーニングのピリオダイゼーション
- 毎週、高強度・中強度・回復日を明確に
- 月単位で**「攻める期」「整える期」**を分ける
- 疲労マーカー(RPE、HRV、食欲、睡眠時間)を毎日記録
🌿 リカバリー習慣
- 睡眠を最優先(最低でも7時間)
- 呼吸法・入浴・ストレッチなど「副交感神経タイム」を毎日確保
- 「何もしない日」を週1入れる勇気を持つ
🔸 まとめ:見た目より中身が大事
ストイックに体脂肪を絞ることもひとつの努力ですが、競技パフォーマンスを最優先するなら、体内のコンディションが最重要。
「かっこよくて速い体」を目指すには、「中身から整える」戦略が鍵です。
💬 最後に:あなたの調子、今どう?
- 最近よく眠れていますか?
- トレーニングのあとの回復に時間がかかっていませんか?
- 以前より「思ったより動けない」と感じることは?
そんな方は、「絞りすぎ」が原因かもしれません。
食事・休養・練習のバランスを見直して、「長く強く動ける体」を育てましょう!