私は、パフォーマンス向上のためにMCTオイルを取り入れています。油ですが癖がなく、コーヒーやオートミールに入れると滑らかで美味しくなる感覚があります。医療現場でも栄養改善にMCTオイルを進めることもあります。実際沢山の効果があり、是非おすすめしたい食材なのでここで紹介します。
☆エネルギー産生効率の向上
脂質をエネルギーとして使用する際、長鎖脂肪酸はリンパ管を通して全身に運ばれ、一旦組織に貯蔵され、必要時にエネルギー源として利用されます。中鎖脂肪酸であるMCTオイルは門脈という血管を通して肝臓で素早くケトン体に変換されます。その後ミトコンドリアに直接取り組まれ、速やかにβ酸化され、エネルギーに変換されます。そのため長鎖脂肪酸より4〜5倍早くエネルギーになり、体脂肪として蓄積されにくいというメリットがあります。
※飽和脂肪酸には長鎖脂肪酸、中鎖脂肪酸があります。長鎖脂肪酸は一般的な植物油や動物性脂肪に多く含まれます。
☆ミトコンドリアの質と量の向上
β酸化の活性化・β酸化系酵素の活性を上昇を通してミトコンドリアの機能を向上させ、新しいミトコンドリアの生成を刺激する可能性があります。MCTの代謝によって産生されるケトン体は、ミトコンドリアの機能を改善し、その数を増やす効果があると考えられています。ミトコンドリア機能向上は多くのメリットがあります。
エネルギー産生の効率化、免疫機能強化。神経保護作用(パーキンソン病などの神経変性疾患の予防や症状改善につながる可能性)、抗酸化作用の向上、老化抑制、代謝機能の改善等
☆ケトン体増加
MCTオイルの代謝過程でケトン体が増加します。
エネルギー効率の向上(脳や筋肉で効率的に利用)、持続的なエネルギー供給が可能(糖質由来と比較して)、脂肪燃焼の促進、認知機能の向上(脳のエネルギー効率向上)、血糖値の安定化、抗炎症作用、慢性炎症の抑制、運動パフォーマンス向上
☆糖質制限によるケトン体増加との比較
MCTオイル
- 糖質摂取制限しなくてもMCTオイル接種だけでケトン体を増加させることができる
- 接種後数時間でケトン体増加
- 一時的で持続時間が短い
- 即効性あり、日常的な食事に取り入れやすい
糖質制限
- 体内の糖質が枯渇すると脂肪を主要なエネルギー源として利用するようになり、結果ケトン体が産生される
- ケトン体利用まで2〜3日程度かかる
- 持続的なケトン体増加、長期的な効果をもたらす
- 厳格な食事管理が必要
私の場合、糖質制限はストレスになるためMCTオイルのほうが普段の生活に取り入れやすいと感じています。
☆免疫系:マクロファージとの関連
抗炎症作用;炎症を抑えるM2マクロファージの活性化を促進する。
肝機能改善:マクロファージの過剰な活性化を抑制し、肝臓の炎症と線維化を防ぐ
☆ホルモンとの関連
レプチン分泌の増加により食欲を抑制
ペプチドYY(PYY)の分泌増加により視床下部に働きかけ、食欲を減少
レプチンとPYYの分泌増加により過食・糖質を摂りたい衝動を抑制
グレリンと結合して活性化し、食欲亢進作用や成長ホルモン刺激作用をしめす(食思不振の患者に有効)
☆その他
抗菌・抗真菌作用もあり。腸内の悪玉菌抑制、カンジダ抑制することにより腸内環境を改善する。腸内環境の改善により栄養の消化吸収効率もアップする。
☆副作用が少ない
副作用は腸内で水分を凝集することによる胸焼けや下痢等あるが、他はほとんどなし。食後にとること、少量から始めて徐々に量を増やすことで改善あり。
まとめ
上記の理由から私としては取らないほうがもったいないと思うほどメリットを感じています。参考になれば幸いです。