私がデッドリフトのフォームで悩んでいたとき、1回目に挙げるより挙げて下ろして2回目に挙げる方が楽に感じるという経験をしたことがあります。それは、初動動作に原因があり、特に腰痛を経験したことが有る人は初動のときに一瞬骨盤が後傾してしまうのを恐れることも原因としてあると思います。今回、そのヒントとなる方法を考えてみました。
ニュートラルが保てず骨盤後傾となる原因は重さが増すときに腹圧がうまくかけられず、体幹の安定性が低下している可能性が高いです。1回目より2回目のほうが軽く上がるということは、体が動作に慣れる過程でより適切な筋肉の使い方や腹圧のかけ方を身につけていることが考えられます。これを踏まえて、以下のポイントで改善を目指してみてください。
1. 腹圧を強化するテクニック
- ブレーシングの意識: 初動で重さに負けて骨盤が後傾しやすくなる原因は、腹圧が十分にかかっていない可能性があります。バーを引き上げる前に深く息を吸い込み、横隔膜を下げてお腹全体を膨らませるように意識します。この状態で腹筋全体を固めることで、背中と腰を守りながら安定した骨盤前傾を保つことができます。
- 呼吸の練習: 重いウェイトでのデッドリフトの際には、初動の前に腹式呼吸でしっかりと空気を腹部に送り、腹圧を高めてから動作を開始することが重要です。しっかりと息を止めて腹圧を維持し、バーを膝まで引き上げた後に息を解放するのが理想的です。
2. アクティベーションの改善
- 股関節の動きを意識: 重いウェイトでは、膝とヒップの連動が重要ですが、股関節のヒンジ動作が不十分だと骨盤が後傾しやすくなります。動作前に軽いウェイトで、股関節のヒンジを意識して動かす練習をすると、骨盤の前傾を保つ感覚を掴みやすくなります。
- 臀筋とハムストリングスの活性化: 初動でうまく臀筋とハムストリングスを活用できないと、腰や下背部に過度な負荷がかかりやすくなります。軽いウェイトでデッドリフトの動作前に、臀筋やハムストリングスをアクティベートするエクササイズ(例えばグルートブリッジやバンドを使ったハムストリングスのアクティベーション)を取り入れてみてください。
3. セットアップの確認
- お尻の位置の調整: 初動でお尻の位置が低すぎると、バーを引き上げる際に骨盤が後傾しやすくなります。ヒップを少し高めに設定して、股関節からしっかりと折り曲げることで、骨盤前傾を保ちやすくなります。
- バーの位置: 初動時にバーが身体から離れすぎると、背中に余分な負荷がかかりやすく、骨盤の前傾を維持するのが難しくなります。バーを身体に近づけ、常にバーがすねや太ももに触れるように意識してください。
4. 感覚の改善
- デッドリフトのウォームアップでイメージ: 1回目のリフトが重く感じることがあるのは、神経系がまだ十分に発火していないことが考えられます。ウォームアップの段階で、徐々に重さを増やしながら動作の感覚を掴みやすくすることが重要です。軽い重量でも、最初のセットで骨盤の前傾や腹圧をかける感覚を確認しながら行うことで、神経系を活性化させ、2回目以降のリフトをスムーズにできます。
5. コアトレーニングを強化
- プランクやデッドバグ: 腹圧のかけ方を改善するために、コアを強化するトレーニングを積極的に取り入れてください。特に、プランクやデッドバグのような腹部の安定性を高めるエクササイズが有効です。
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今回は私の経験から、デッドリフトのフォーム改善について考えてみました。デッドリフトは基本を意識しながら反復・定着させながら無理のない範囲で行いましょう。少しでも参考になれば幸いです。